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もの会ふ場

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家族集団会議の薦め

被害者と加害者の対話を推奨してきたのですが、最近直接対話以上に、被害者・加害者がそれぞれの家族や友人、コミュニティと関係を築きなおすことがまず大切だと思うようになりました。
被害者の話を聞いても、加害者の話を聞いても、一つの犯罪行為、暴力行為がいかに個人と、その関係性を破壊するのかという、そのとてつもない破壊力に感銘を受けるほどです。営々と築いてきた関係性を暴力は一瞬にして破壊します。
島根あさひのTCユニットで、「和解と修復」に関して話し合っていたときです。和解はもともと親密な関係にあったものが、いったん壊れた親密な関係性を取り戻すことと思いますが、修復はもともとは無関係あるいは淡い関係があった者同士の淡い関係を取り戻すことと思います。見知らぬ人への犯罪行為は、何の関係もなかったところへ、無理やり「被害者ー加害者」という関係性を作ってしまうことですから、その場合の「修復」とは、元の無関係、つまり犯罪の影響を無視できる程度に軽減できるというところにあるのかもしれません。
そうした回復を支援することができるのは、加害者以上に被害者の家族や友人などでしょう。一つの犯罪行為が、被害者の関係性と加害者の関係性とを無残に壊していくのを見聞してきました。
ファミリー・グループ・カンファレンスは、被害者と家族・友人等の大切な関係性、そして加害者の家族・友人等との大切な関係性を結びなおすことによって、個々の人が犯罪の悪影響から逃れ、新たな自身の生を築いていくうえで、有効な方法の一つと感じています。
8月6日に、神戸で開催される国際犯罪学会のシンポジウムとして、ニュージーランドで、家族集団会議(FGC)を推進してきたマリー・コノリー博士の話を聞く機会を作ることができました。コノリー先生には、8月8日に、ワークショップも開催してもらいます。FGCはとても有望な方法の一つです。みなさんにも是非知っていただきたいと思い、お招きしました。坂東さんが案内してくれている林先生の講義は、その前提の理解となるものです。みなさまのご参加をお待ちしています。ふじおかじゅんこ
by monoafuba | 2011-05-20 22:15