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もの会ふ場

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一粒の種まき


  先週の5月25日の毎日新聞に、
  沼田鈴子さんという、被爆体験をされ、証言を続けておられる方
  の記事が掲載されていました。
  
      ”平和の種は、一粒ずつまくしかありません。
       私の証言は、一粒の種まきです。”

 
  また、福島智さん(東京大学教授、小3の頃に全盲になり、高2の終わり頃に耳が聞こえなくなった)は、
  「生きるって人とつながることだ!」(素朴社)の著書の中で、次のようにおっしゃっていました。

      ”優しさも愛も、
       それらは抽象的に存在するのではなく、
       日々の具体的な行動として、
       身近な人とのささやかなコミュニケーションの積み重ねとしてのみ生まれ、働く。”

 
  時折、何をやっても無駄ではないか、と
  むなしく、無力感に襲われることがあります。
 
  
  沼田さんや福島さんは、
       具体的な日々の中で、
       ささやかでもいい、
       身近なできることを、一つずつやっていくこと、
       それは、無意味なことではない
       そういうことを大切にしていくことから、始まるんだよ、
  と、言ってくれているような気がしました。

  
  ものあふばの活動も、
  人が人として互いに尊重される社会への ”一粒の種まき” となりますように。 (も)
 
 
一粒の種まき_a0168110_262010.jpg


  
# by monoafuba | 2010-06-01 02:27

専門講座Ⅰを終了しました。


5月22日(土)、23(日)に
性暴力の実際的対応の専門講座Ⅰを実施しました!

プログラムは、
 加害少年の司法手続
 性暴力の治療教育への動機づけ
 アセスメント
 治療教育における保護者の役割と保護者支援
 性行動のルールと、真の同意
 感想の共有、質疑応答  
と、盛りだくさんでした。

 
写真は、「性行動のルール・プライベートパーツなど」について、
13歳くらいまでのこどもたちに教える、というロールプレイをしているところです。

専門講座Ⅰを終了しました。_a0168110_5143859.jpg


49名の参加者からは、

・ 性行動のルールや、保護者との面談について、
  デモンストレーションを見たり、ロールプレイを経験したことで、
  具体的なイメージが持てた。自分の振り返りができたよかった。

・ ロールプレイをして、
  説明することの難しさや、
  加害者が聞かれたことに答えたくない気持ちなどが味わえた。

・ 動機づけ、アセスメントの知識が整理できてよかった。
  改めて、その重要性を知った。

・ 治療プログラムを実施することで、再犯率が低下する効果がある、
 とわかった。
  これらの具体的な数字を示して、動機づけすることの大切さを知った。

・ 児童相談所、施設、学校など、それぞれの職場で、ここで、
 学んだことを活かしたい。職場に合わせて応用しながら実践したい。

など、概ね好評でした。 
 
 特に、基礎講座の感想を参考にして、デモを入れたり、その順番を考えたり、
席の移動が多かったのを減らすために、ボードを準備したりと、
いろいろ工夫を凝らしたのですが、そのあたりを評価して下さる方もいて、
そのことも、とってもうれしかったです。

 6月の専門講座Ⅱでは、さらに、今回のアンケートを参考にさせていただき、
改良したいと思います。 


 ところで、私自身も、治療教育の実践については未知の世界であり、
まさにこの講座で学んでいるところです。
 私が学んだこと、印象に残ったことについて、
ごく一部ですが、簡単にまとめてみます(私の解釈も入っています)。

 ★動機づけ、保護者の重要性について
   少年(子ども)の治療教育の動機づけの多くは、保護者をいかに動機づけるか、
  にかかっている。
   間接的被害者である保護者の心情に共感しながらも、適切な情報を伝えて、
  治療教育の参加を促し、加害者の”よきモデル”、”よきサポーター”になってもらう。

 ★アセスメントについて
  ・高リスクの性加害者と低リスクの性加害者を同じグループにすると
  かえって再犯率が高くなる。アセスメントは大変重要である。
  ・再犯防止につながる、加害者本人のニーズに焦点を当てて、治療教育する。 
  ・加害者本人の特性(年齢、思考・試行の誤りの強度、知的能力、衝動コントロール、
  加害行為が止まっているか等)に合わせて、学習スタイルを決める。
  ・アセスメントは、定期的に、見直し、修正していくことが大切である。
 
 ★性暴力への対応の基本的枠組みについて
   第1に、被害者の安心、安全を確保する。
   第2に、対等な関係を築き、維持できる力を育てる。
   (攻撃的でなく、言いなりでなく、自己主張できるようになるなど。)
   第3に、再犯率の低下を目標とする。

 ★性加害の治療教育において、グループは大変有効なので、
  基本は、グループがよい(セミクローズドぐらいがよいことが多い)。
  グループにおいて、こどもたちに変化への動機づけをするために、
  ①クイズ、シール、進度表、レベル制、免許証、卒業など、さまざまなツール、
   システムを活用する。
  ②グループリーダーから、メンバーから、保護者から、
   ”ポジティブなフィードバック”が大切。
  ③秘密保持された安心・安全な場での、仲間同士の支え合い。
 
 ★性加害の治療教育は、コミュニケーションのあり方など、自分や対人関係などについても
 広く学んでいくので、教育が終わった時には、性問題だけでなく、他の課題についても
 改善、解決されるという効果も、期待できる。

 ★真の同意といえるための”9つのブロック”。
  こどもたちに、真の同意の有無を判断することの難しさを学んでもらうことは大切。
  (詳しくは、「回復への道のり・・・パスウェイズ・・・」(誠心書房、藤岡淳子監訳)
  10ページあたりをご参照ください。)

 ★治療者は二重の責任を持つ。
  再犯の危険性を最小限にする社会的な責任と、本人のニーズに対する責任。
  これは、重い言葉だなと思いました。 
 
 全国各地から、休みを利用して講座に参加してくださったみなさま、
本当に、ありがとうございました。 また、6月に会えるのを楽しみにしていま~す!!

                                         (もりもと・しまこ)
 
 
# by monoafuba | 2010-05-27 05:26

TCユニットサポートブログ

このブログは、TCユニットのサポート・ブログでもあります。TCユニットの卒業生のみなさん、いかがお過ごしですか?アリゾナ州ツーソンにあるアミティのサークル・ツリー・ランチの写真です。ふじおかじゅんこ
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# by monoafuba | 2010-05-10 21:51

基礎講座終了しました

たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。アンケートへのご記入もありがとうございました。記入されたご意見を基に、専門講座の詳細を鋭意詰めているところです。おかげさまをもちまして、専門講座Ⅰ・Ⅱも50名の定員に達しました。
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そして懇親会の様子です。中華料理最高でした。参加してくださったみなさま、ありがとう。
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# by monoafuba | 2010-05-10 21:32

コノリー先生のお話

NZのオークランド空港に着き、そこから国内線で首都ウェリントンに移動した。ウェリントンは、なんだかのどかで、外国を旅しているという緊張感をあまり感じさせない都市だった。写真はハチの巣のような庁舎である。昼ごろついてその午後さっそく、Ministry of Social Development(社会開発省でよいのでしょうか?)にDr. Marie Connolly(コノリー博士)を尋ねた。コノリー博士はソーシャル・ワーカーで、FGCコーディネータとしてFGCの制度化と実施に尽力されたのち、オークランド大学で教鞭をとり、現在は再び社会開発省に戻って、FGCの責任者として、研修や実践にとりくまれている。一旦大学に移ったものの、FGCが司法化されていくことに危機感を覚えて社会開発省に戻られたということである。その著書は、「ファミリー・グループ・カンファレンス」という題で、高橋重宏先生によって日本語訳されて、有斐閣から出版されている。日本では、行政から大学に移ることは可能であるが、その逆はなかなかないのはもったいないことであるような気がするが、あってもおもしろいような気もする。
コノリー先生のお話の中で、一番印象に残っているのは、「実証データに基盤を置いた実践と研修」である。「ストレングスとエビデンス・ベースト」、「家族主導と文化対応」、「子ども中心」を縦糸として、「契約とアセスメント」、「解決の探求」、「安全確保と所属」を横糸にタペストリーを織り、その交差地点に実証データに基づく「留意点」が記載されている研修資料は非常に実際的でわかりやすく感じられた。効果的な対応を行おうとする場合は、国や機関全体の方向性や価値観・態度を創生していくことが不可欠であり、日本での実践でもとても参考になるものであった(詳しくは、British Journal of social work (2006) のPractice Framewarks: Conceputual maps to guide interventions in child welfare.を参照されたい)。
コノリー先生は、ゆっくりとわかりやすい英語で、笑顔を絶やさず話してくださり、それだけで「いい人だな~」と思えた。見習いたいものである。が、ちと無理とも思えた。写真はビーハイブである。ちなみにモルモン教徒のアメリカ合衆国ユタ州庁舎もビーハイブと呼ばれるものであった。欧米人は、プーさん同様、ビーハイブが好きなのであろうか? ふじおかじゅんこ
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# by monoafuba | 2010-03-28 21:24